羽毛の価格が高騰しているって本当??

羽毛_価格高騰2
あまりいいお話ではありませんが、今回のタイトルの通り、今羽毛布団の中綿となる羽毛(ダウン)の価格が高騰しています。

今回は、羽毛の価格高騰の背景について解説していきます。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

羽毛価格が高騰している理由

羽毛の価格が高騰している一番大きな要因は、供給の減少需要の増加です。

  • 羽毛の供給 減少
  • 羽毛の需要 増加

つまり、羽毛の採れる量が減っているにもかかわらず、羽毛の買い手が増加しているのです。作り手と買い手に変化が生じてきているということです。

下記にて作り手側と買い手側の側面から、現状を確認していきたいと思います。

作り手側《ダウン供給の減少の背景》

ダウン供給の減少の背景
  1. 欧米人の食生活の変化(食肉用水鳥の減少)
  2. 飼育コストの増加
  3. 社会的問題。動物愛護団体からの圧力

下記にて1つ1つ詳しく見ていきましょう。

1. 欧米人の食生活の変化(食肉用水鳥の減少)

羽毛_高騰
後ほど解説する「3.社会的問題」にも関連することですが、このところ羽毛の主要原産国である欧米の人々の食肉としての水鳥の需要が減少してきています。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが一般的に、羽毛布団などに使用される羽毛は、食肉用に飼育されたグースとダックの副産物として採取されます。

したがって、必然的にその食肉の需要が落ちれば、採取できる羽毛も減少してしまうのです。

ではなぜ欧米人が水鳥を食さなくなってきたか。

その理由としては、(1)嗜好の変化、(2)健康に対する意識の高まり、(3)動物愛護の観点からの不買運動などがあります。

欧米人が水鳥を食さなくなってきた背景
  1. 嗜好の変化
  2. 健康に対する意識の高まり
  3. 動物愛護

水鳥は、欧米人にとって昔から一般的に食されてきた食べ物ではありますが、このところの健康ブームと相まり、水鳥は敬遠されがちになってきているようです。

また、その飼育環境や、羽毛の採取の悲惨さから動物愛護団体が世界的に食肉としての水鳥の不買運動を起こしていることも需要の減少の原因として考えられています。

さらに、世界三大珍味として知られるフォアグラもグースの肥大化した肝臓ですが、これも、劣悪な飼育環境が問題となり多くの国で生産が規制されるなどの動きもみられています。

2. 飼育コストの増加

飼育コスト高騰2

世界的に問題となっている近年の飼料や燃料価格の値上げに伴った飼育コストの増加もまた、羽毛生産に大きな影響をもたらしています。

食肉・羽毛用の水鳥の飼育期間は短くとも7ヶ月となっており、コスト増加は、生産量増加への大きな足かせとなっています。

また、経営状況悪化は、そのまま従業員への賃金の低下にもつながり、人手不足も問題として上がってきているようです。

3. 社会的問題。動物愛護団体からの圧力

上記、「1. 欧米人の食生活の変化」で述べたように、現在食肉・羽毛用の水鳥の飼育の環境の悪さを指摘する動物愛護団体の運動や圧力により、一部の国では水鳥農家への風当たりが厳しくなってきているようです。

一部の国においては、羽毛の生産を規制するような厳しくなる法律が敷かれるようになってきています。
こういった状況から廃業に追い込まれる生産者も続出しており、この動きは加速の動きを見せています。

上記の理由から、羽毛の供給量は減少の一途を辿ることになっています。
それでは、次に買い手側の需要増加の原因についてみていきしょう。

買い手側《ダウン需要の増加の背景》

1. 中国から需要拡大(生産国から消費国へ)

経済力にて大きな影響力を持つ中国からの羽毛の需要が増大しています。

もともとアジア1の生産量を誇る羽毛産出国だった中国。羽毛関連商品の生産国として重要な役割を担っていたいましたが、人々が豊かになるにしたがい、中国国民が高額である羽毛商品を買い漁るようになってきました。

こうして羽毛の良さを理解するようになった中国は、生産者としての顔を持つ一方で大きな影響力を持つ消費者となっていったのです。

最近では、中国経済の悪化を指摘する人が増えてきていますが、中国からの羽毛需要は今後も増加すると考えられています。

以上、羽毛の供給側と買い手側の現状について解説致しました。

まとめ

今回のお話をまとめますと、これまで安定して需要と供給のバランスが保たれていた羽毛市場ですが、人々の嗜好の変化、羽毛生産者への逆風となる社会的背景や法律規制、新興国からの需要の増大などを背景に羽毛供給の減少と、需要は増加は継続するとみられており、羽毛の価格高騰化は避けられないもの考えられます。

さらにこのところの円安に相まって、日本における羽毛布団の価格上昇を加速させることは間違いないでしょう。

高品質な羽毛への原点回帰

もともと、羽毛というものはだれでも持つことができるわけではない贅沢品でありました。

しかし、ファストファッションの流行や、新興国による羽毛の生産が価格を押し下げていったのです。それにより、羽毛が持つ高品質なイメージは崩れていき、またコストを重視し劣悪な環境で水鳥を飼育する農家が現れてきました。

すこし悲観的ではありますが、私感を言わせていただけるのであれば、安く質の悪い羽毛を使い捨てのようにして購入を繰り返し、環境に悪影響を与えることよりも、たとえ高額となったとしても、10年20年と付き合っていける質の良い羽毛を購入するという賢い選択につながる動きとなるのであれば、地球全体として悪い流れではないのかも知れないと考えています。

皆さんは、どのようにお考えされますでしょうか。
少しでも羽毛布団購入の検討材料になれば幸いです。