いよいよもう少しで夏本番です。
温暖化の影響による気温の上昇、冷房の多様、機密性の高い現代の建築の弊害と言える高湿度な室内など、昔に比べて大変難しくなってきている夏場の布団選び。
代表的な夏の寝具と言えば、タオル地をベースとしたタオルケットが一般的ですが、夏に一時期に使用が限られる、熱がこもりやすいなどと敬遠される方も多くなってきているようです。
そんな夏場の寝具として当サイトがおすすめするのは和晒しのガーゼケットです。
医療用具として馴染みのあるガーゼを何層にも重ねたガーゼケットは吸水性・通気性・保温性にとても優れており、その構造から夏涼しく冬暖かい優れもの。
そんなガーゼケットに和晒しという特別な仕上げを施した和晒しガーゼケットはふわふわの肌触り。
今回は、この”和晒しガーゼケット”について詳しくご紹介していきたいと思います。
ガーゼケットってどんなもの
ガーゼケットってどんなものなのでしょうか?
”和晒し”の説明は後ほどするとして、まずはガーゼケットについて説明していきたいと思います。
そもそもガーゼとは?
- ガーゼとは
- ガーゼとは、細い木綿糸(コットン)を漂白して目の粗い平織りにした柔かい布。柔軟で通気性・吸湿性に富み、肌着・ハンカチ、消毒して包帯などの医療用などに用いられる。“ガーゼ”という言葉は明治時代に、ドイツ語から医学用語の1つとして日本に伝えられる。日本では綿紗(めんしゃ)とも呼ばています。
じゃあ、ガーゼケットってなに?
- ガーゼケットとは
- ガーゼケットとは、何枚かのガーゼを重ねて作られてつくられたケットのことで、そのガーゼの層により通気性・吸水性・速乾性に優れ、夏涼しく快適に、冬暖かいオールシーズン利用可能な寝具として今注目を集めています。
迷ったらこれ
抜群の肌触り&使って洗うほどに体になじむ
photo by 大東寝具工業株式会社
ガーゼケットの1番の特徴はなんといってもその肌触り。ガーゼ特有のふわふわな肌触りが気持ちよく体になじんでいきます。
ガーゼケットは、「育てる寝具」とも言われるほど、使い込んでいくうちに風合いが出る感じることができ、洗うほどにふんわり、柔らかくなり、素肌に馴染んでいきます。
心地よく体に沿ってくれるガーゼケットは、時間と共に利用者だけの愛着のある一枚となっていきます。
通気性・吸湿性・速乾性に優れる
ガーゼケットが夏にオススメの寝具と言われていますがその理由として以下のことが挙げられます。
- 通気性がいいので、熱がこもらない。
- 吸湿性がいいので、汗をかいてもベトベトしない。
- 速乾性があるので、洗濯をしてもすぐに乾燥する。
通気性・吸水性に優れているガーゼケットは、タオルケットとは違い熱がこもらず、寝汗をかいてもガーゼがしっかり汗を吸ってくれ、べっとりした感覚は残さず常にさらりとした肌触りで夏でもずっとくるまっていたくなる気持ちよさ。
布団の中を清潔に保つためには、寝具の洗濯が一番です。
ガーゼケットは速乾性(乾きやすい)がありますので、汗をかいた日や汚れが気になったら、まめに洗濯をして布団の中を常に清潔な状態を保つようにしましょう。(洗うほどにふわふわになっていくことを感じることができます。)
ガーゼの層が保温力を保ち、寝冷えから体を守る
ガーゼケットは、何枚かのガーゼを重ねられて作られています。1枚では薄く透けてしまうガーゼですが、これを何枚も重ねることで「空気層」が出来上がります。
まるでミルフィールのようなこの空気層がほどよい通気性と保温性を生み出し絶妙な温度調節を可能としてくれるため、適度な保温力を保つことで寝冷えから体を守ってくれます。
また吸湿性も高いので長時間包まっていても、蒸れを感じる心配もないでしょう。
このガーゼケットの空気層は、他の寝具とうまく組み合わせることで寒い時期に保温性を向上させるものとしても活躍してくれます。
これがガーゼケットが1年(オールシーズン)を通して使用可能と言われる理由となっています。
使用する前に洗濯をしよう
ガーゼケットを購入されたら、使用する前に洗濯をされることをおすすめします。
特別なことがない限り、一般的なガーゼケットはご自宅の洗濯機で丸洗いが可能です。
未使用(新品)のガーゼはプレスされているので多少のハリがあります。そのハリは数回の水洗いにより取り除かれ生地の風合いが増し、ふっくらとした肌触りを感じることができるようになります。
洗濯前と洗濯後の同じ商品を見比べてみるとその厚さの違いに驚かれるかと思います。
ガーゼケットは速乾性(乾きやすい)がありますので、汗をかいた日や汚れが気になったら、ガシガシ洗濯をして清潔な状態を保つようにしましょう。※洗濯機をご使用の際はネットに入れて、お洗濯をするようにしましょう。
ガーゼケットの干し方
ガーゼケットは、直射日光で干すとゴワつきが発生する可能性がありますので、なるべく陰干しにて乾燥させるようにしましょう。
風通しの良い日陰にて、自然乾燥がおすすめです。※雨などで屋外で干すことが出来ない場合は、室内干しでも問題ありません。
ガーゼケット長い方では10年以上愛用されている方もたくさんいるほど耐久性が高い商品となっています。
ガーゼケットを選ぶなら”和晒し”ガーゼケットがおすすめ
ここまでガーゼケットの素晴らしさについてご紹介してきました。
こちらでは、おすすめのガーゼケットとして”和晒し”ガーゼケットの魅力についてご説明していきたいと思います。
和晒しガーゼケットとは
- 和晒しガーゼケットとは
- 和晒しガーゼケットとは、繊維製品の製造工程の1つである【晒し】の工程にて日本の伝統的な技法である【和晒し】により仕上げられたガーゼケットのことを言います。
商品例
※価格の変動にご注意ください。
和晒ガーゼケット 京和晒綿紗 5重合わせ
洗うほどにふんわり。昔ながらの和晒製法ガーゼ
- 10,000円(税別)・送料無料
- サイズ:シングル(140×210cm)
- 素材:綿100%
- 商品番号:01-5KET-S
晒しについて
少し、専門的なお話になりますが、一般的な繊維製品の製造工程の流れは以下となります。
- 紡績:綿花から糸を紡ぐ
- 織布:紡いだ糸から布へ
- 晒し:生地の不純物を落とし色素や臭いをとる
- 染色:生地に色や風合いをつける
- 縫製:製品に仕上げる
今回注目してもらうのが、工程③【晒し】です。
- 晒しとは
- 晒し(さらし)とは染色する前に、織り上がった布の繊維に付いた不純物や糊、色素や臭いを取り除く加工のことで精錬(せいれん)や漂白とも呼ばれています。
一般的に私たちが目にするガーゼは真っ白ですが、元々は黄色い色をしており独特の臭いも持っています。
晒前のガーゼ生地
晒後のガーゼ生地
Photo by 楽天
これは綿特有の脂分や綿かすなどの不純物、糸の過程で用いられる糊などが付着しているためですが、これでは商品としてはおろか衛生的に問題がありますので、先ほどご説明した【晒し】という加工を施すことにより、不純物・余分な色素などを取り除いていくのです。
さてこの晒し加工ですが、大きく分けて【和晒し】と【洋晒し】の2つが存在します。
洋晒しってなに?
- 洋晒しとは
- 洋晒し(ようざらし)とは、自動精錬という設備で、約40分間かけて、熱やテンション(張力)そして塩素系漂白剤などを付加しながら加工を行う機会作業のことです。
私たちが着ている洋服などは、ほとんどこの洋晒しにより、晒し加工が施されています。
とても短時間で処理することができるため生産的ではありますが、生地に大きなストレスを付加することから、(1)繊維自体がつぶれてしまう、(2)本来のコットンの特長が損なわれる、(3)柔らかさが落ち、肌触りが悪くなる、などの影響が出てきてしまいます。
また、それらの問題をカバーするために仕上げとして、柔軟材や化学物質が添加されることもあります。
それでは、和晒しとは一体どんな加工方法なのでしょうか?
日本の伝統的な加工技法【和晒し】ってなに?
photo by 大東寝具工業株式会社
- 和晒しとは
- 和晒は日本で昔から行われている伝統的な技法の1つで、日本でもわずか数台しかない稀少な巨大釜(和晒釜)と天然水を使い、4日間かけてじっくりと綿独特の臭いや不純物を取り除いていく加工方法のことです。
和晒しの工程は以下の通りです。
- 1日目:生地についた紡績用ののりを90℃程で分解。
- 2日目:綿花の油分などを落とす。
- 3日目:35℃くらいの温度でじっくり汚れや色素を落とす。
- 4日目:残留物がゼロになるまで天然水できれいに丁寧に洗い流す。
和晒しは、上記作業のほとんどの手作業で行うとてつもない重労働で、かかる時間は一般的な晒し(洋晒し)と比べて、約100倍以上。
環境に優しく生地にも負担をかけないその技法は、日本が守るべき伝統技術ではありますが手間ひまがかかりすぎることから、今や和晒しは希少な存在となりその伝統を受け継ぐ工場はわずかとなってきています。
しかし、そんな和晒しにより生まれるガーゼケットは、洋晒しによるガーゼケットとはまったくの別物と言ってもいいほどの品質を実現しています。
それでは、和晒しから生まれるガーゼケットはどんな特徴をもっているのでしょうか。
繊維にストレスをかけず、コットン本来の力を最大限に引き出す
丸4日もかけて行う昔ながらの製法である和晒しは、繊維にストレスをかけないため、糸断面が限りなく真円の状態となり空気層が生まれ、コットンが本来持つ力を最大限に引き出すことが可能となります。
それにより生まれてくるガーゼは洋晒しにはない肌触りの優しい”ふわふわ”でソフトな風合いとなり、吸水性・通気性が共に高まります。
耐久性が上がる
ガーゼケットは耐久性が高い商品ですが、繊維にダメージを与えない和晒し加工によりその耐久性がさらに向上します。
それは洗うほどのに実感いただくことができ、洗うほどふんわり柔らかで弾力性が増していき、ガーゼ本来の肌触りを感じることができるようになります。
また和晒しのガーゼケットは、繊維を傷めることがないため、他のガーゼ製品や綿製品と比較しましてもホコリの発生が少ないとも言われています。※全くホコリは発生しないというものではありません。
地球環境にやさしく、赤ちゃんや肌に敏感な人にも安心して使用が可能
たくさんの漂白剤を使う一般的な晒し(洋晒し)とは異なり、必要最低限の薬品しか使わないので、和晒しはほぼ無添加と言ってもいいほど、有害な薬品を極力使わなず、じっくり炊き込みことで繊維の不純物を取り除いていく製法です。
薬品に頼ることなく、手間ひまをかけることで作り上げられた安心・安全な優しいガーゼケットは、肌の敏感な乳幼児や、アトピー、化学物質に過敏な方にもおすすめです。
このように、地球環境に優しい日本伝統技術の和晒しが施された和晒しガーゼケットは、天然のコットンが持っている本来の特徴を最大限に引き出し、安全、安心なケットなのです。
和晒しと洋晒しの比較表
和晒し | 洋晒し | |
---|---|---|
設備 | 日本に数台の和晒し釜 | 中国製が主流の自動精錬器 |
仕上がりまでの時間 | 約4日間(洋晒しの約144倍) | 約40分 |
工程 | 酵素や天然水を使いほぼ無添加 | 薬品や化学物質を添加 |
収縮率 | 5%未満 | 5%以上 |
繊維断面 | 負担がかからない真円 | 繊維が崩れて楕円形 |
仕上がり | ふんわり | 固め |
それでは、下記にておすすめのガーゼケットを幾つかご紹介していきます。
おすすめのガーゼケット「京和晒綿紗」
photo by 大東寝具工業株式会社
- 京和晒綿紗とは
- 京和晒綿紗(きょうわざらしめんしゃ)とは、大東寝具工業株式会社が発売している「和晒し」にこだわった商品展開を行うの寝具シリーズで、代表的な商品としてガーゼケットやガーゼパジャマなどがあります。元々は医療用寝具としても使用されていたほど、高い品質を備えている商品となっています。
大東寝具工業株式会社
大正14年に、京都の壬生で布団製造販売メーカーとして創業。環境や文化への取り組みも積極的で、「快眠とくつろぎ」をコンセプトにしたものづくりに取り組んでいます。
- 綿紗とは
- 綿紗(めんしゃ)とはガーゼの和名のことです。ガーゼという言葉は明治時代になり医学用語として伝わりましたが、それまでは綿紗という言葉が一般的でした。
身体への思いから生まれた、無添加のガーゼ『京和晒綿紗』
「長時間にわたり直接素肌に触れる寝具として、乳幼児やアトピーの方でも安心して使用できる、身体に優しい素材はないだろうか。」
大東寝具工業社長のこんな思いから、日本伝統的技法である「和晒し製法」と肌に優しい「ガーゼ」が出会い【京和晒綿紗】が生まれました。
肌への配慮を最大限のこだわり
ガーゼの優れた通気性、吸水性、速乾性と衛生的優位性、そして環境と人の肌に配慮した和晒し製法についてはこれまでに詳しくご紹介してきました。
京和晒綿紗を開発時、「身体に優しい素材」を考えた時、ガーゼと和晒しの組み合わせは必然だったのかもしれません。
京和晒綿紗はとにかく本物の安心・安全にこだわって作られており、晒から縫製、検品まですべて国内の工場で行うことはもちろんのこと、仕上げに使われる(体に優しい)沖縄産の天然の澱粉糊以外には、柔軟材や化学染料など余分なものは一切添加をしていません。
すべての商品はホルムアルデヒドなど人体に影響を与える物質、および残留物はゼロ。
赤ちゃんやご高齢の方、敏感肌の方にも安心して使用できるようになっています。
京和晒綿紗は1年を通して気持ち良く
京和晒綿紗は昔ながらの製法で、綿素材の風合いを最大限に引き出されており、ふんわりとした独特の風合いで、肌にとても馴染んできます。
そんな京和晒綿紗には柔軟剤なんて不必要。洗うほどに風合いとガーゼ表面の滑らかさ増し、いつまでもやさしい肌ざわりを楽しむことができます。
夏は汗を素早く吸い取り快適に、そして冬は暖かく。京和晒綿紗は1年を通してご使用することが可能となっています。
快適に眠るための、こだわりの多層化縫製
人が気持ち良く眠るためには、お布団の中が32℃前後、湿度50%前後が最も理想的と言われています。
京和晒綿紗は、この環境に近づけるべく高度な縫製技術を開発。
一般の多重ガーゼ生地は、織り上がり段階で多くの箇所に留めを施し1枚ものの生地として仕上げている一方で京和晒綿紗は縫製の段階で個別のガーゼ生地を重ねて1枚にしていきます。
この他では真似ができないの高度な技術により、ミルフィールのような空気層がほどよい通気性と保温性を生み出し絶妙な温度調節が可能となっています。
これは長年の寝具づくりのノウハウと熟練の高度な技術があってこそ。
一枚一枚、全て心を込めて手作りされている京和晒綿紗は、ガーゼの柔らかさと風合いはもちろんのこと機能的にも「理想の寝心地」を実現してくれる優れた寝具となっています。
その他の京和晒綿紗製品
おすすめのガーゼケット「ファブリックプラス 和晒5重ガーゼケット」
ファブリックプラスとは
- ファブリックプラスとは
- ファブリックプラスは、愛知県名古屋市にある創業90年の晒・染色工場を母体としたオリジナルブランドです。長年培った技術により「ファブリック(布)」に形や用途を「プラス」することで繊維産業の可能性をより広げていきたいという思いから誕生しました。
ファブリックプラスは、天然繊維であるコットン・リネンなどシンプルで素材で製法にこだわった寝具類を中心に商品展開を行い、可能な限り日本素材・日本製・日本生産をモットーとした、安全性のあるものづくりを心がけられています。
繊細な敏感肌にもやさしく。安全な信頼の世界基準
ファブリックプラスは安全性を確かにするべく以下のことに取り組んでいます。
エコテックス規格認証
- 国際規格「エコテックス100」
- 世界共有の安全基準の1つで、有害な化学物質が製品より検出されないことなどの厳しい基準をクリアした製品にのみエコテックス100の認定が与えられます。
ファブリックプラスの加工はエコテックス100の中でも最も厳しいクラスI(赤ちゃんの唾液によっても製品より有害物質が検出されないなどの試験項目)を認証済みです。
無添加
ファブリックプラスの無添加加工とは、日本国内において責任を持って加工され、後加工によるホルマリンを含む薬品・肌に触れて有害な化学物質、仕上げ樹脂剤を一切使用していない加工です。
無塩素晒(さらし)
有害な環境ホルモンの原因の1つとされ、塩素系ではなく過酸化水素を使用しています。