こちらでは、羽毛布団に使われる羽毛を持つ水鳥の種類についてご説明致します。
水鳥の種類は、2種類だけ
羽毛布団の中綿(ダウン)としてみなさんが目にすることがあるダウンは以下の5種類です。
- ダウンの種類
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- アイダーダック・ダウン ダック
- マザーグース・ダウン グース
- グース・ダウン グース
- マザーダック・ダウン ダック
- ダック・ダウン ダック
参考 アイダーダック以外は、羽毛の色がホワイトとシルバーがあります。例:ホワイトマザーグースダウン
ご覧になって頂いてお分かりの通り、最初にアイダーやマザーなどは付いていますが、水鳥の種類としてはグースかダックの2種類となっています。
日本語で言うとグースは、ガチョウで、ダックは鴨・家鴨のことですね。
最高級ダウンのアイダーダックダウン
先にご説明して置きますと、羽毛の中でも最高級とされるアイダーダックダウンは、水鳥の中でもかなり特別な存在です。
通常の羽毛布団でこのアイダーダックダウンを見かけることはほとんどないかもしれません。
それほど、貴重で高価ということでなんですが。。
- アイダーダックとは
- アイスランド最北端の海岸線のみに生息する野生の鴨(ダック)のことをアイダーダックと呼びます。厳しい気象条件の中で生活を行いアイダーダックは、自らの羽毛をくちばしで取り巣作りを行います。その羽毛だけで出来たアイダーダックの巣が最高級の羽毛として高く評価されています。
アイダーダックの巣
羽毛(巣)の採取は、雛が孵り、母鳥と共に巣立った後に行います。一度でも、乱暴やり方で採取と行ってしまうと野生であるアイダーダックは二度と同じ地に戻ってくることはないため長くは続くないのです。
しかもアイダーダックは比較的生息数の少ない鳥であるため、採れる羽毛も限られている為、希少価値がものすごく高い物となっているのです。
このアイダーダックから採れるアイダーダウンですが、通常のダウンであれば風がふくと簡単に飛び散ってしまうところ、アイダーダックダウンは、羽毛同士が絡まる性質があるため飛び散ることはありません。これを羽毛布団として使用した場合、保温性のある空気層を作り上げ軽いのに暖かい極上の布団が出来上がるのです。
しかも、洗浄には化学薬品などは使わず、熟練された手作業で行われますので、ダウンの損傷も少なく耐久性に優れています。
また、匂いもしにくいのが特徴で丈夫なため、羽毛布団の側生地が傷んできた場合でもリフォームをするなどして長く使用することができます。
より大きなダウンで保温力が高い”マザー”
アイダーダックの上記で終わりにさせて頂きここからは、通常羽毛布団で使用される4種類の水鳥の違いについてご説明していきます。
- 水鳥の種類
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アイダーダック説明済み- マザー・グース
- グース
- マザー・ダック
- ダック
上記のマザーグースとマザーダックに付いているマザーとは一体なんでしょうか?
グース&ダックのお母さん
マザーグースとマザーダックは、言葉通りグースとダックのお母さんのことです。
通常、水鳥農家さんは水鳥を食肉用として育て、その副産物としての羽毛を採取しています。そのサイクルは、2〜4ヶ月が一般的で水鳥としてはまだ若鳥の部類に入り、羽毛の採取時期としてはベストとは言えません。
一方、一部の水鳥は、次世代のグース・ダックの卵を生ませることを目的に選ばれたお母さん水鳥のことで時間をかけて成熟した水鳥へと成長していきます。そして卵を生む頃にはその体はしっかりと成熟しており、立派な羽根(ダウン)を持つようになっているのです。
この選ばれた水鳥たちのことをマザーグース&マザーダックと呼ぶのです。
寒い冬を越えて成熟した羽根を持つマザーグース・ダックから採れるダウンはとても良質で、若鳥から採れる羽毛とは格段に違い、1つ1つのダウンが大きくふかふかで保温性たっぷりでとっても丈夫なのです。
これが、マザーが付くダウンが高価で取引される理由なのです。
グース vs ダック
よく違いを聞かれるのがグースとダックの違いです。
では、もう一度先ほどお見せした画像をご覧ください。
ご覧になって頂いてお分かりの通り、グースの方がダックよりも体が大きいです。これは、とても重要なことで一般的に体が大きい水鳥ほど大きなダウンを持ち、ダウンが大きいほど保温力が高いのです。
つまり、グースの方がダックよりも大きなダウンを持ち、その価値も高くなります。
ここまでのお話をまとめると、水鳥の価値は以下の順番となります。
- マザーグース グース
- グース グース
- マザーダック ダック
- ダック ダック
ホワイトダウン vs シルバーダウン
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ホワイトグース
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シルバーグース
上で簡単にご紹介していますが、グース、ダックともに白い羽毛を持つものと、灰色の羽毛を持つものがいます。
そこで、白いダウンには「ホワイト」、灰色のダウンには「シルバー」とつけるようにしています。
灰色の羽毛 シルバー・ダウン
先ほどの水鳥にこれを当てはめてみると、ホワイトグース、シルバーグース、ホワイトマザーダック、シルバーマザーダックという感じになります。
羽毛の色は品質には関係ない
一般的に言って、同じ条件で飼育されている水鳥であればホワイトダウンもシルバーダウンも羽毛自体の品質に差はありません。
ただ、羽毛布団に仕立てた際に側生地から色が透けない。清潔な印象がある。などの理由から人気・価格共にホワイトダウンの方が高くなっています。
また、グースに限っての話ですが、ホワイトグースはシルバーグースに比べてストレスに弱いため、より環境に配慮した飼育が必要になることも価格を押し上げる原因ともなっているようです。
参考ちなみに、高級食品として有名なフォアグアは比較的にストレスに強いとされるシルバーグースから取れています。
まとめ
これまでのお話をまとめますと、羽毛布団の中綿となる羽毛が取れる水鳥とその価値は以下の通りとなります。
- アイダーダックダウン
- マザーグースダウン(ホワイト&シルバー)
- グースダウン(ホワイト&シルバー)
- マザーダックダウン(ホワイト&シルバー)
- ダックダウン(ホワイト&シルバー)
羽毛の違いは、保温性の違い、耐久性の違いでもあります。
羽毛は、30年以上持つ素材と言われています。目先の安さだけに惹かれて選んでしまうよりも、長くずっと付き合っていける羽毛布団選びをおすすめ致します。