羽毛の産地として最近知られるようになっている中国。
そんな中国産の羽毛と羽毛布団についてのお話です。
中国産の羽毛布団はおすすめしません。
最近では、品質のよい羽毛を生産している農家もあるようですが、当サイトとしては、やはり中国産はあまりおすすめしません。
中国は、水鳥を飼育して羽毛を生産する羽毛生産国としての顔と羽毛を海外から輸入して羽毛布団を生産する羽毛加工国としての顔を持ちます。
- 2つの顔を持つ中国
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- 羽毛(ダウン)生産国としての中国
- 羽毛布団生産国としての中国
上記の点を羽毛布団の製造と合わせてご紹介していきます。
1. 羽毛(ダウン)生産国としての中国
決して簡単ではない水鳥の飼育
羽毛の生産は、水鳥の飼育から仕事が始まります。
動物そして自然を相手にする仕事ですので、そう簡単にではありません。
当然ながら、水鳥の健康状態は飼育される環境や飼料に影響されます。ストレスのかかる狭い小屋だったり不衛生な環境。さらには、栄養素が少ない飼料。こういった環境では、品質の良い羽毛が育つことはありません。
しかしながら、全てとはいいませんが、中国にて飼育される水鳥は上記でご紹介したような劣悪な環境で育てられている例が少なくありません。
安さの追求が品質低下を生む
では、なぜこのような環境で水鳥を飼育する必要があるか?
それは、安さを求める需要があるからに他なりません。
安さを追求した羽毛布団を生産したい羽毛布団メーカーは少しでも安い羽毛を手に入れようと努力します。そういったメーカーは、品質のことなど全く気にしません。
羽毛が羽毛の形をしていれば十分なのです。
そうやって作られたのが、暖かさも不十分でいやな臭いを発する低価格低品質の羽毛布団なのです。
2. 羽毛布団生産国としての中国
海外から中国に輸入されてくる羽毛
世界の工場が集まる中国。
羽毛布団の生産も例外ではなく、今や中国は世界有数の羽毛布団生産国となっているのです。
羽毛を生産する場合、中綿として使われる羽毛は、中国で採取されるものを使用する場合と、海外から輸入される場合があります。中国国内で採れた羽毛を使う場合は、上記の通りです。羽毛として品質は決してよくはありません。
では、海外から輸入された羽毛を使う場合はどうか?
ここも注意が必要です。
羽毛の品質は洗浄が決めて
『海外から輸入されている羽毛を使うのだから、安心でしょ?』と、思う方もいるかもしれませんが、そう簡単ではありません。
例えば日本で羽毛布団が生産される場合。日本は100%羽毛を輸入に頼っているので、日本産の羽毛はありません。
日本の各羽毛布団メーカーは、海外から羽毛を買い付けてくることになるのですが、羽毛布団を生産する際、日本のメーカーは再度羽毛を国内で洗浄を必ず行います。
国内の羽毛品質を管理する日本羽毛製品協同組合
日本には、国内の羽毛布団メーカーが加盟する日本羽毛製品協同組合という組合があります。
この組合に加盟する布団メーカーが羽毛布団販売するためには組合が設ける羽毛の品質基準をクリアする必要があるのですが、その中に羽毛の洗浄度の基準が存在しています。
羽毛におけるその洗浄は、羽毛布団にした際、その品質を大きく左右するとても大切な作業となります。
この羽毛の洗浄が不十分の場合、臭い発生の原因となったり、暖かさを十分に発揮できない原因となります。
品質は手間とコストに比例する
当然ながら、この洗浄作業は手間もコストもかかります。
話を中国産羽毛布団に戻しますが、安く羽毛布団を生産したければ、手間とコストは出来るだけかけたくありません。
そんな風に考える中国布団メーカーが、羽毛の洗浄度などを気にするでしょうか。
おそらくすることはないでしょう。
洗浄が不十分の羽毛から作られた羽毛布団は、安いかも知れませんがやっぱりいい羽毛布団とは言いがたいでしょう。
簡単に言えばこれが中国産の羽毛布団が安くなる理由です。
以上です。
今回は、分かりやすく中国産の羽毛布団を例に取ってお話をしました。
ですが、これはなにも中国に限ったお話ではなくやはり外国産の羽毛布団においてはこういった例も少なくありません。
羽毛布団をご購入される際はぜひご注意してお選びください。